校長あいさつ
ふじみ野市立福岡中学校長 朝倉 孝
(平成24年度入学式式辞より)
式 辞
皆さんの入学を待ちわびたかのように、校門の桜が今を盛りと咲き誇るこの季節に、白鳥珠美PTA会長様をはじめ多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、平成二十年四度ふじみ野市立福岡中学校入学式を挙行できますことに、心から感謝申し上げます。
二百十七名の新入生の皆さん、入学おめでとう。三百九十六名の在校生と五十二名の教職員を代表して、心から皆さんを歓迎します。
今皆さんは、真新しい中学生の制服に身を包み、たくさんの保護者の方や地域の皆さん、そして先輩や先生たちの温かい眼差しに見守られながら、この会場にいます。一度会場を見渡してみましょう。会場全体が、そして学校全体が皆さんの入学を祝福する雰囲気に満ち満ちています。
このような素晴らしい入学式ができることに、ここにいる全ての人たち共に感謝しましょう。去年の三月十一日の大震災により、自分の家や大切な家族を失い、あるいは自分たちの学校を失い、今なお大変の思いをしている東北地方の多くの方々がいることを私たちは忘れてはなりません。ここから北に百キロちょっと、新幹線で1時間も乗れば今なお震災の傷が癒えず、困っている多くの人たちのことを思えば、今日このような入学式ができること、そしていつもと同じ毎日を送ることができることに深い感謝の心を持ちたいものです。今何の不自由もなく生きている私たちは、毎日の生活を精一杯頑張っていくことが、この感謝の気持ちを行動で表わしていくことだと思います。共に頑張っていきましょう。
さて、ここに今2年生の女の子が1年生の2月に書いた作文があります。中学1年生の生活もしめくくりを迎えようとする時に、これから中学に入学してくる小学校6年生に向けて書いた作文です。この子は、小さいころから夢だったサッカーをやろうと中学に入ったら、サッカー部に入部しようと考えていた子です。この夢を実現するため、男子ばかりの部に何人かの女の子を誘って入部し、いまでも頑張ってサッカーをやっている子です。勉強については少し苦手なようですが、この女の子の作文はここにいる在校生全員の思いを代表していると思いますのでここで紹介します。保護者の皆様も、一年たつとここにいる新入生もこんなにたくましい中学生になるんだということを実感できる作文ですので、是非聞いていただきたいと思います。
題名は「新世界」です。
長いので途中から読みます。
小学生の時から勉強がずっと不安でした。正直なところ今も不安です。でも中学生になると、新しい友達も増えるので、友達に教えてもらったり、先生にも教えてもらえます。中学校の先生って怖そうと思ったりするかもしれませんが、そんなことはありません。確かに怒ったりすると怖いけど、いい子にしていればとっても優しい方々です。テストが近くなると学習会を開いてくれてわからないことや質問に優しく、わかるまで教えてくれます。ですから不安だけど、教えてもらう安心感があるので大丈夫です。
小学生の時は不安ばっかりでした。私にはお姉ちゃんがいて、三歳違いなんですが。ちょうど私が四年生の時お姉ちゃんが入学でした。五年生六年生になるにつれ、お姉ちゃんを見ていてどんどん不安になりました。なぜかというと部活で遅く帰ったり、テストが近付くと部屋にこもって勉強して、夜遅かったり、朝早かったり。ずっと小学生でいたいと思っていました。でも今は中学生もいいなと思えます。勉強もテストも大変だったりきつかったりするのはやっぱり嫌だけど、楽しいし、新たな発見もあるからそう思えます。前まではちょっとしたトラブルでくじけていたけど、今は「いいことも悪いこともあるのが人生というものなのだから、楽しまなくちゃ」と思えるようになりました。これからも色々なことがあると思いますが、楽しみながら暮らしていきたいと思います。今の時期は色んな不安やつらいことなどいっぱいあって大変だと思いますが、頑張っていきましょう。みんながよい中学校生活が送れますように。
以上です。
この作文の題名は「新世界」。
実にいい題名です。この子にとって中学校生活は正に「新世界」であり、この一年間は新世界発見の冒険の旅だったのでしょう。
この冒険の旅を通して、たくましく成長していく姿が、この短い作文の中で見事に表現されていたと思います。
新入生の皆さん、この子がこの一年でどうしてこんなに成長することができたと思いますか。私はこの子には大きな二つの宝物があったからだと思います。宝物の一つは「夢」です。この子には、中学生になったらサッカーをどうしてもやってみたいという強い願い、「夢」がありました。夢は自分をどんどん未来に引っ張ってくれます。どうか皆さんも何か一つ中学校で実現したい夢を持ってください。
そして、二つ目の宝物はなんでしょう。私は、この子がとても「人が好きだ」ということだと思っています。「人間が好き、人の輪の中に入っていくことが好き」ということは社会に生きる私たちにとって、何よりの宝物です。人が好きな子だからこそ、頼もしいお姉ちゃん生活ぶりから、中学生の未来の姿を学び取ることができたり、男子ばかりの部にも一緒に入ってくれる友達がいたり、また苦手な勉強でも、聞けば優しく教えてくれる友達や先生がたくさん集まってくれます。そして何よりも、この子の成長を温かくいつも見舞ってくれているお母さん、お父さんがいます。
「人が好き」はやはり人生の大きな宝物ですね。皆さんにも是非、この学校で、人とかかわること、人の輪の中にどんどん入り、自分を引っ張ってくれたり、時には自分から進んで人を支える強い絆を作ってほしいと思います。
「夢を持つこと」「人が好きなこと」の二つの宝物を皆さんがしっかり持つことができれば、一年もたてば、この女の子のように「いいことも悪いこともあるのが人生というものなのだから、」と思えるような、明るくたくましい中学生にきっと成長することができます。ここにいる新入生のみんなと、多くの先輩たち、そして君たちをいつも温かく見守ってくれる先生たちの人の輪、絆の中で必ず成長できます。自信を持ってこれからの中学生生活を歩んで下さい。
結びに、保護者の皆様、本日は、まことにおめでとうございます。お子様の晴れやかな姿を前にして感慨もひとしおのことと存じます。本日より保護者の皆様が手塩にかけ大切に育ててこられたお子様を学校としてお預かりするに当たり、私ども教職員は、生徒に、常に親の身になって、温かな慈しみを持って励まし、時には厳しく教育していこうと決意を新たにしております。学校と保護者の皆様、そしてPTAをはじめ地域の皆様方と心を一つにして、福岡中学校の生徒をたくましく育てていけるよう、本日ご臨席の皆様のより一層のご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。
二百十七名の新入生を迎え、福岡中学校がますます郷土ふじみ野の誇りとなる学校になることを願いつつ、本日の式辞といたします。
平成二十四年四月九日
ふじみ野市立福岡中学校長 朝倉 孝
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